今や日本人のほぼ二人に一人はがんになる。がんがあっても、がんと共存して天寿を全うする時代に向かうであろう。癌研の所長であった吉田富三が行っていた学問「がん学」と、政治学者の南原繁が提唱していた「政治哲学」を併せて、「がん哲学」という言葉を作った。生きることの根源的な意味を考え、がんの発生と成長に哲学的な意味を見い出すこと、それが「がん哲学」である。(本書より)
がん病理学者・樋野興夫教授が提唱する「がん哲学」を平易な語り口で紹介。自らもがんと闘う評論家・立花隆氏や、医療コミュニケーションの専門家との対談、「がん哲学外来」に来訪された患者さんのメッセージを収録した最新版。
※本書は、「がん哲学 新訂版 ― 立花 隆氏との対話」(to be 出版 2009年発行)をもとに加筆し、再編集したものです